彼の地に思いを馳せて・・・
こんにちは。だいぶ冷え込むようになったとはいえ、今年は暖かい日が多いですね。もう12月ですが、当店ではまだハイビスカスが花をつけています。そのいっぽうでポインセチアやシクラメンが入荷していたりして・・・季節感がめちゃくちゃ。
さて、今回はこの時季、パンジーやガーデンシクラメンなどに比べると地味な存在ながら、なかなかに奥が深い園芸植物をひとつ、ご紹介しましょう。
花屋ではよく「エリカ」という名で並んでいます。別名で「ヘザー」「ハイデ」「ヒース」とも呼ばれる、ツツジ科の低木常緑樹。たくさんの種類がありますが、ピンク色の小さな花をつける“ジャノメエリカ”あたりがポピュラーでしょうか。ちなみに上の画像は“ホワイトデライト”という品種。白ベースに花の先端にほんのりピンク色が入っていて、上品な趣があります。
ところで「ヒース」と聞けば、いろいろ思い浮かぶことがある方がいらっしゃると思います。おそらく、ヨーロッパにちなんだ話題が上がる際によく名前が出てくるのではないでしょうか。
例えば、お酒好きな方にとってはスコッチウイスキー(スコットランドで作られるウイスキー)の製造過程を知るうえで、この名前を耳にされているでしょう。原料の大麦を乾燥させる際、ピートと呼ばれる泥炭を焚きます。このピートの中に多く含まれるのが、長い年月のあいだに朽ちて堆積したヒース。スコッチウイスキーに独特の煙のような匂いがついているのは、この工程によるものです。
そしてゴルファーの皆様ですと、毎年7月ごろに開催される「全英オープンゴルフ」を観戦されたことがあるなら、よくご存知ではないでしょうか。ラウンド中、日本やアメリカのゴルフコースでは考えられないような深いラフが、出場者を困らせます。このラフによく生えているのが、ヒース。こんな感じです↓
テレビ朝日ウェブサイト「全英オープンゴルフ」フォトギャラリー
・・・いずれもイギリスがらみの話題になってしまいましたが、ヒース自体はヨーロッパ全土で見られるそうです。なんでもフランスあたりでは、数本の枝を旅行かばんに忍ばせれば悪い出会いを避けられ、枕の下に敷いておけば悪夢を追い払ってくれる、と言い伝えられているのだとか。
ここでもうひとつ、別の品種を。
カルーナ・ブルガリス。鮮やかな葉色に目がいきますが、わずかながらちゃんと花もつけています。
あと育て方について。おしなべて寒さには強いですが、暑さは苦手。もし夏越しをお望みなら、鉢植えにして夏場は風通しの良い半日陰に置き換えます。またツツジ科の植物に共通の特徴ですが、酸性の土壌を好むので、植え付けの時に鹿沼土かピートモス(こちらのピートは主にミズゴケが原料)を土に混ぜるといいでしょう。なおガーデニングのネタとしても、前述のパンジーやガーデンシクラメンなどとの相性もいいので、寄せ植え材料にも使えます。
皆様もこのエリカをながめつつ、ヨーロッパの荒野に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。それにしてもいまヨーロッパはタイヘンなことになっていますね。ギリシャ、イタリアだけでなく、他の国までヤバいのでは?なんて言われていますが・・・がんばってヨーロッパ!



















